アレルゲンのエキスをパッチテスト用絆創膏に浸み込ませ、それを皮膚に貼り付け、一定時間後にはがして皮膚の状態を観察します。

接触皮膚炎の確定診断に欠かせない検査で、多くの試料について一度に検査できるメリットがあります。主に化粧品や基礎化粧品、毛染めなどによる接触皮膚炎や、金属アレルギーの原因同定のために行います。

なおパッチテストは、週に3~4日の来院が必須となります。検査試薬貼り付け日に加え、2・3日後(経過により7日後も)判定に来ていただく必要がございます。事前に検査の必要性や可否を医師が判断したうえで、完全予約制での検査となりますので、まずは医師にご相談ください。汗をかく真夏(7月~9月)は行うことができない検査ですのでご了承ください。

パッチテスト

[パッチテスト実施日]

貼付日 火曜日
1回目の判定 木曜日
2回目の判定 金曜日

金属パッチテストの場合、さらに3回目の判定を行うことがあります。

3回目の判定 翌週火曜日または水曜日

(祝日に該当する週は検査を行っていません)

[パッチテスト手順]

1.パッチテスト開始

パッチテスト開始

次回(1回目の判定、48時間後)までは以下★を禁止

湯船につかることは禁止

直接水が触れないように注意すれば簡単なシャワーはOK
シャンプー:貼付部位に水がつかないように工夫すれば、美容室やシャワー付き洗面台での洗髪は可能です

運動禁止(汗は大敵、試薬が流れてしまい正確な判定ができなくなってしまいます)

検査が終わるまではインキや検査液が付着することがあるので、最終判定までは汚れても問題ない肌着を着用してください

2.48時間後 1回目の判定

テープをはがしたあとに30分~1時間お待ちいただきます。
これは検査試薬を貼った絆創膏の影響を排除するためです。
この日から入浴可能ですが、検査部位は擦らないで下さい。
インキで印を付けるので汚れても問題のない肌着を着用して下さい。

3.72時間後 2回目の判定

4.約一週間後 3回目の判定

2回目で判定が終了することもありますが、アレルギー性の反応か刺激性の反応かはっきりしないケースでは、3回目の判定が必要になる場合があります。金属アレルギーは、遅れて反応がでてくる場合もあります。

貼付後72時間後もしくは1週間後に最終判定結果をお渡しします。

[パッチテスト注意点]

  • 貼付部位に黒いペンで位置決めの印を記入します。汗をかくとペンの印が取れやすいのでご注意下さい。
  • 検査期間中の運動は禁止です。夏場はパッチテストは行えません。
  • 女性の方で 背中にパッチテストを貼った方は、テープを除去するまでブラジャーの着用はできません。
  • 検査試薬が服に付着することがありますので、テープを除去するまでは必ず肌着を着用して下さい。検査期間中は黒いペンが付くこともあるので、汚れの目立たない黒い肌着をつけていただくのをお勧めします。
  • パッチテスト実施期間(最初の48時間)は、試薬の貼ったテープが取れたりすることがあるため、運動は避け、重い荷物を持つ等も避けて下さい。
  • 検査期間中は、ステロイド剤、鎮痛薬(NSAIDs)、抗アレルギー薬は中止して下さい。
  • パッチテストの1週間前から貼付部位(背中)の日焼けを避けてください。
  • パッチテストの1週間前から貼付部位にステロイドを外用しないでください。
  • 上記の理由で検査を延期する場合があります。
  • パッチテスト検査終了後も陽性反応が出た場合は、炎症後の色素沈着をきたしやすいので、日焼けをしないように注意してください。
  • ・判定記録のためパッチテスト部の写真を撮ることがあります。

[その他の注意事項]

1回目(貼付後48時間)の判定と2回目(貼付後72時間)の判定は必ず来院日を守って下さい

パッチテストの有効性について

パッチテストで陽性と診断された場合には、その金属にアレルギー反応があることが判断できますが、仮に陰性(パッチテストで発赤 等の反応がない)であったとしても絶対にその金属にアレルギーの問題がないとは言い切れません。こうした状態を偽陰性と言います。

また、検査で陰性だと判明しても、その結果は金属について今後もずっとアレルギーを生じないという意味ではありません。

パッチテストの副作用

パッチテストにも副作用があります。

痒み、赤み、腫れ、時に水疱(つぶれてジクジクする)、まれに潰瘍(かいよう:皮膚がただれて深い傷になる)が生じることがあります。軽度な副作用として、パッチテストシートやその上に貼る絆創膏にかぶれる場合があります。

また 反応が強くでた場合には炎症後色素沈着が長期間残る場合があります。

皮膚に跡を残すことがありますので この点は十分ご理解された上でパッチテストを受けていただくことが必要です。

反応が強い場合は、同部位の治療を速やかに行いますが、必要に応じて検査後も通院していただくことになります。

まれにパッチテストを行うことで 検査試薬により感作される(それまで大丈夫だった物質にあらたにアレルギーを起こすようになり、かぶれの体質になってしまう)可能性があります。

こうした反応には 個人差があり、事前に予測することは不可能です。

パッチテストを行った際に、元々のかぶれの皮膚炎が再燃することがあります(フレアアップ現象)。⇒この場合はたいていパッチテストも強い反応が出ていますので、同時に速やかに治療をします。

パッチテスト

保険診療での検査となります。